この作品のこと
監督:Lenny Abrahamson(レニー・エイブラハムソン)
主演:Brie Larson (ブリー・ラーソン)
製作国:アイルランド、カナダ
上映時間:118分
原作:『部屋』/エマ・ドナヒュー
予告動画
あらすじ
5歳の男の子、ジャックはママと一緒に「部屋」で暮らしていた。体操をして、TVを見て、ケーキを焼いて、楽しい時間が過ぎていく。しかしこの扉のない「部屋」が、ふたりの全世界だった。 ジャックが5歳になったとき、ママは何も知らないジャックに打ち明ける。「ママの名前はジョイ、この「部屋」の外には本当の世界があるの」と。混乱するジャックを説き伏せて、決死の脱出を図るふたり。晴れて自由の身となり、すべてが解決して幸せになれると思っていた。ところが-。
Wikipediaより
見終えた感想(観る前の人用)
タイトル通り大号泣しました。
ただただ、人間模様だけが描かれる1時間。
しかし内容は広い戦場で戦いを繰り広げる戦争映画よりも広大で、そして深い。
私はこの映画をフラッと立ち寄った映画館で見たので、なんの前情報もありませんでした。
そのためか、冒頭の5分で一気に映画の世界へ引きこまれました。
しかし、途中から感じだす違和感。
1時間を過ぎたあたりぐらいでしょうか。
「長いな」
終わったあと、「2時間半くらいか?」と思ったほどです。
というのも、この映画は2回山場が来る作りになっていて、ちょうど1時間目ぐらいで一回目の山場がやってきます。
その山場をピークに、話の展開はスローペースになっていきます。
もちろん、主人公の心の動きをしっかりと最後まで追っていき、ただのエンターテイメント作品じゃないものにしようとすると、ああなってしまう事は分かります。
でも、長かった。途中から早く家に帰って池袋ウエストゲートパーク見たいなぁと思いながら見てました。
しかしながら、役者の演技力は素晴らしいものがあり、主演のブリー・ラーソンと子役のジェイコブ・トレンブレイ君でなければここまでの作品には仕上がっていないはずです。
前に進もうとする母を、精神的な意味で支えている息子。
そんな2人の後半のセリフで、とっても印象深かったセリフがあります。
ママが精神的に不安定になり、息子のジャックに強く当たってしまったりした後のセリフです。
ママ「こんなママ…最低のママだよね…」
ジャック「…でも、ママだよ」
このセリフがキーとなり、母は前を向く事を決心するのですが、見ている私も心にずっしーん来ました。ずっしーん。キュン。泣きました。そんで芝居うますぎ。
2人ともこの話を1度リアルに経験しているのではないかと思ったぐらいです。
2人のやりとりやセリフには何度も泣かされ、2人が最後に放つ最後の一言は、今でも思い出して泣きそうになります。
…そりゃあアカデミー取るよね。
というわけで色々加味して70点。泣きたい人は見る価値ありです。ただし、軽い気持ちでカップルとかで見に行くと、「重っ……」ってなる可能性があります。お気をつけて。
自分の脚本に使えそうなテクニック(自分用)
序盤になんの説明も一切なしにスタートし、1時間で部屋から完全に脱出する。
という、ここまでで一旦3幕構成を終えるというパターンであった。一旦話を区切り、その後の1時間は新たなステージでのドラマが始まる。
この展開では、新鮮味があって一気に引き込まれはするが、今回の場合相当大きなピークである、『監禁されていた部屋から逃げ出す』という大イベントが一回目のピークだったので、どうしてもその後の『精神的な意味で部屋から逃げ出す』というラストまでの道のりがとても退屈に感じてしまった。
二度美味しいは、二度目の方が美味しくないとダメ。
あと、父(母を監禁していたやつ)がくれたラジコンをすんごい大事にするんだけど、その後そいつが悪いやつだと知ったあとにラジコン解体しちゃう感じとか、随所にアイテムの使い方がとてもわかりやすく使ってあった。
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